【受入れ体験談】忘れられないビーフンの味

受け入れの心配は嘘のよう。笑いの絶えない1週間に!

 「お母さん、ゆーぴん、私と同じ部屋で寝てくれるって!」

小学6年生の娘は、台湾から交流にきてくれた高校1年生の女の子ゆーぴんと、寝る部屋の相談をしてきたらしい。中国語も英語もあいさつ程度しか話せない娘が、どうやって意思疎通を取ったのか不思議だったが、嬉しそうでほほえましく感じた。

 私は、はじめての受け入れで、少々不安もあった。
狭い部屋・中国語も英語もあいさつ程度しか話せない。おまけにフルタイムで働いている環境で、申し訳ないような気もしていた。

 しかし、今思うとその心配は、すべて前向きに言い換えられる。
狭い部屋は、川の字になって並んで寝たことが、楽しい思い出になった。
コミュニケーションは、身振り手振り、英語・中国語・日本語で、少しずつ知っていることをフル活用でなんとかなったし、中国語も教えてもらった。

 ある日、覚えたての中国語を使おうと思い、寝る前におやすみ(晩安)のつもりで、間違っておはよう(早安)を言ってしまったことで、みんなで大笑い。
一気に場が、和んだ。

「ちょっと恥ずかしかったけど、間違いも悪くないな。赤ちゃんも、時々、間違えながら、そして、家族や周りの人が、笑いながら教えてくれることで、ことばが育つのだろう。」

と思うと、

「話せなくても、何とかなる!」

と思えた。

 ゆーぴんが、到着した日、1週間のスケジュールを書いたものを見せながら、わかる英語で説明をした。もともと、私の仕事中にどう過ごしてもらうか心配で作ったスケジュール表だったが、

「私のためにこんなに考えてくれた!」

と大喜びしてくれた。

ヒッポのフェローさん(地域のお世話役)が、同年代のメンバーに声をかけてくれたり、米軍基地の方とたこ焼きパーティーを企画してくれた。

小学6年生の娘の書道の先生にも、お願いして、一緒に色紙を書いてもらった。

父(70才代)は、水族館やハウステンボスを一緒に満喫して、はしゃいで嬉しそうだった。
日頃のつながりにも、感謝する1週間になった。

ホームステイにきた台湾の女の子とハウステンボス観光を楽しむ
ハウステンボス観光を楽しむ

忘れられない、ビーフンの味

ゆーぴんが、ビーフンを作ってくれるというので、ストアーにでかけ、一緒に材料の買い物をした。ゆーぴんのお父さんは、料理人で、特製レシピと材料を持たせてくださった。おみやげにいただいた烏龍茶もとても香りがよくて、ゆーぴんの家族の愛情を感じて、なんだか、温かい気持ちに包まれた。

ビーフンを作ってくれているホームステイにきた台湾の女の子
ビーフンを作ってくれるゆーぴん

受入れ後の台湾は、外国ではなく「親戚のいる国」のような感覚

 テレビで、台湾の話題がでると、耳がダンボになる。娘は、中国語が心地よく聞こえるという。

やさしい、お姉さんからもらったことばは、人の温かみを感じることばなのだと思う。

私も、時々思い出す。ゆーぴんは、将来の夢に向かって頑張っているかなと。

いつか、ゆーぴんのご家族にもお会いして、素敵な娘さんと会えたことと、ビーフンのお礼を言いたい。

それまでに、中国語を少しずつ育てたい。

台湾の女の子とホストファミリー(佐世保市)

(40代/長崎県佐世保市)