【高校留学レポート-スペイン】アンダルシア人になって帰ってきた!

友人たちと放課後を楽しむ下手くん(真ん中)

下手 莉生(しもて りお)
留学時:高校1年生
留学先:スペイン・アンダルシア地方
留学期間:2018年9月〜2019年7月

2018年9月~2019年7月までの約9か月間、ヒッポの高校生交換留学プログラムで、スペイン南部のモゲールへ留学した。

小さい頃から、ヒッポの場で聞いていた先輩たちの留学体験。大勢の人の前で、堂々と何語でも話す姿を見て、自分もいつかあんな風に輝きたいと思っていた。

スペインに決めたのは、サッカーが大好きだから。2010年のW杯でスペインが優勝して以来、自分の中ではスペインへの思いが強かった。

留学生活は何もかもが楽しく、新鮮だった。

スペイン語習得の道のり

YL(イヤーロング=ヒッポ高校留学プログラム名称)の先輩からは、自分がいく町は方言が濃いと言われていた。sの発音を抜くと言うことは知っていたが、メタ活(言葉をそのまま真似て口に出すこと。ヒッポでは、マテリアルの音源を聴きながら口に出す活動を準備の一環として行っている)で波も頭に入ったし、正直怖いものなしで出発した。

しかし着いてみると、ホストファミリーも友達も町の人もコーディネーターも、出会う人みんなのスペイン語が早く、「自分が知っているスペイン語じゃない・・・」と思うぐらい違って聞こえた。これは方言なのだろうと分かったが、そんなに濃いのかと、びっくりしたし、どうしようか戸惑った。

その時思い出した。
中学2年生の時、わが家に長期ホームステイに来ていた台湾の高校生が、広島弁を話してくれるようになってから距離感が縮まった体験があった。
自分もアンダルシア弁を習得して、現地の人と距離を縮めようと思った。

ことばの「らしさ」をつかむ

最初は意識的にsを外して言ったり、アンダルシア独特の呼び方や掛け声など、とりあえずはみんなを真似した。すると、日本人がアンダルシア弁を喋るとあって、いろんな人が興味を持ってくれたり、同世代だけじゃなくて、色んな世代の人から受け入れてもらえるようになった喋ることが大好きな自分にとって、とても楽しい時間を過ごすことができた。

修学旅行先のバルセロナ・サグラダファミリア前にて

しかし、やはり何かまだ足りない。
自分のアンダルシア弁とみんなのアンダルシア弁の間にはまだ違和感があった。

12月、行って3ヶ月がすぎた頃、ふと、dの発音も抜けているんじゃないかと思った。すぐに意識してみんなの会話を聞いてみると、やはりdがない。
これだ!と思い、自分もdを抜いてみた。するとどうだろう、これまで無意識にdのないスペイン語を聴いていたので、前より口からスペイン語が出やすくなったというか、流れるようにスペイン語が出てきた。この時こそ、みんなのアンダルシア弁と同じになったんだと実感した時で、ものすごく快感だった。

アンダルシア人になって帰ってきた

スペインで初めて学んだギター

そこからはもう僕はアンダルシア人。
言葉も性格もアンダルシア人のように田舎臭く、陽気なスペイン人になって帰ってきた。

最初に「絶対方言を習得してやる!」と言って始まり、留学出発前のメタ活で培った「言葉の波を掴む力」によって現地のアンダルシア弁をキャッチしていった。
そして、みんなとの言葉の波が一致したと実感したことで言葉に対するモチベーションが上がり、さらにみんなと喋りたい、スペイン語が上手くなりたいと思えるようになった。これが自分のスペイン語の上達の理由だと思う。   

アンダルシア最大のイベント・Rocíoにて
いつものサリール仲間と週末夜の散歩