いろんな国からたくさんの人たちがホームステイにやって来る、ワクワク広島ヒッポの夏。
いつもそんな夏の最後にやってくるのがマレーシアからの学生さん達。
明るくって人への思いやりも暖かいとってもいい子達ばかり。いろんな文化、人種、言語、宗教、多様な環境の中で育って来た環境を彼らのスタンスから感じる。
今回我が家には、男子学生二人がやってきた。

同じマレーシアに住み、同じ大学で学ぶ二人。生真面目な鴻正くん(中国系)とちょっとお茶目なDaniel(マレー系)。
日本に来るまではあまり接点がなかったふたりをつないだ広島ホームステイの場にもなった。
受け入れは、終始楽しかった。
週末は、ヒッポのメンバーで一緒にあちこち行ったり、みんなで持ち寄りをして楽しい時を過ごしたり。
彼らが手際よく作ってくれたスペシャルなマレーシア料理、Ayam Masak Merah(鶏のそれはそれは辛いお料理)も「ぷーだす!!たっぴさんがっすだっぷ!」と汗を流しながら美味しく食べたり、たくさん冗談をいいあったり。人といるってこんなにも楽しい。

そして、「言葉について」学ぶことも多かった。
マレーシアはマレー語、日本語、英語、様々な中国語、タミール語等が飛び交うご存じ多言語国家。
二人を囲んでの場は自然とマレーシア語、英語、日本語、中国語、といろんな言葉が飛び交い何語を話しても大丈夫な心地いい空間となる。
そんな中でDanielの言葉の変化に驚いた。
DanielのPIS(ホストに渡されるゲストのプロフィール)には、話せる言語として「英語」「マレーシア語」としか書かれていなかったし、最初は、彼も全く中国語は話さなかったので、Danielは中国語を話さない人と思っていた。
ところがだ、ホームステイに入って少ししてDanielの口からも「没問題!」「真的?」「我也」等々、中国語がぽつぽつ飛び出し、中国語のやり取りの中に彼も入って来るようになった。
そしてその中国語は日増しに増えて行った。
どんな言葉も大切に受け止め、投げかけていくヒッポの場がDanielの中にあった中国語を自然に引き出したのか。改めてヒッポの多言語環境の引き出すチカラに感動したし、「言葉って、人間ってそういうものなんだ。」って思った。

その言葉が話される場に自分も関わりたくってその言葉を話す。
大切な人の話す言葉が話したくって言葉が育つ。
それが言葉の、人間の、自然なのだと。
思えばヒッポには、「あの人の言葉を話したい」と思わせてくれる人の存在がいつもある。それが、言葉を獲得して行くエネルギーになり、Desireとなっていく。言葉が育つに一番大事な事を教えてもらった気がした。
(K・Kさん/広島県)