【体験談】私の中に溜まり続けることば、ファミリーの中で育つことば

私はヒッポファミリークラブで多言語の活動をするようになって、18年になります。今までの活動の中で育ってきたことばについて少しお話しようと思います。

いろんな言葉があって「面白い」!

参加し始めたころは、特に何語を勉強したい、とかいう気持ちはなく、ただ色んな言語で語られる物語を聴くのが楽しい、という感じでした。私は洋楽を聴くのが好きで、中学生のころからビリージョエルやマイケルジャクソン、マドンナとか良く聴いていたので、ヒッポのマテリアル*を聴くことは特に苦痛でもなく、面白い音が聴こえるなーと思いながら聴いていました。

※マテリアル:様々な言語で収録された音源。ストーリーや音楽など

初めての受け入れ

参加し始めて3ヶ月くらいしたころ、初めて韓国の大学生Kちゃんを受け入れしました。その時私が知っていた韓国語は「アニョハセヨ」とか「カムサハムニダ」など、ほんの少しだったのですが、一緒に過ごす時間の中で、Kちゃんから「ヤック モゴ」とか「ヤクサー」などの言葉をもらいました。初めての受け入れでもらった言葉は印象的で、その時の情景と共に忘れることなく、私の中に溜まっています。

受け入れが終わったあとも驚きがありました!ある日マテリアルの音源を流していると、今まで聴いていたはずなのに聴こえてこなかった音(言葉)が聴こえてきて、ハッとしたのです。自分でもびっくりしたのを覚えています。

勉強ではない方法で、韓国語を分かっていくプロセス

定例会で韓国からのゲストを囲む

それからしばらくの間は韓国の高校生や中学生など、韓国からのゲストを受け入れする機会が多くありました。それぞれの受け入れの中で、ゲストが口にした言葉や教えてくれた言葉、分からないながらも一所懸命韓国語を使って見つけた言葉などが、どんどん自分の中に溜まっていったのです。

特に勉強したわけではないのに、「マテリアル音源を聴いているだけ」「時々ゲストの受け入れをしていただけ」、のヒッポの活動の中でたくさん言葉を見つけ、少しずつ話せるようになりました。これは、この活動をする前の私からすると、人生が180度変わっった!と思っています。

そして、受け入れでの体験をファミリーの場で話すと、周りのメンバーが喜んで聞いてくれたり韓国語を見つけた話をすると、褒めてくれたりして、大人の私も嬉しくなりました。

大人になって、周りから褒められる、という体験はなかなか無いので、とても新鮮でした。

英語を前にして、起こった面白い体験!

しばらく韓国ゲストの受け入れが続いたあと、アメリカのゲストを受け入れする機会がありました。

英語が嫌いなわけではなかったですが、話せる自信もなく、ちゃんと話せるかな、と心配していました。しかし、いざ受け入れしてみると、意外に英語を話している自分がいて、嬉しかったです。それと同時に、何か話そうとすると、一番に出てくる言語が韓国語だった、というのも面白い体験でした。例えば、「大丈夫?」と言うシチュエーションで、まず「ケンチャナ?」というフレーズが口から出そうになり、一人笑ってしまうことも。

真似して言うことを続けていると・・・

普段のファミリー(定例活動)では、マテリアル音源から聴こえる音をそのまま真似して言ってみる(=私たちはメタ活と呼んでます)ことをするのですが、活動を始めた頃は何一つ言えてなかったフレーズも、続けていると少しずつ言えるようになり、受け入れやホームステイ交流をきっかけに、さらに言えるようになっていく、という体験をしました。途中でつまづかずに言えると、とてもすっきりした気持ちになるんです。それだけでなく、以前より区切りがわかるくらいはっきりと聴こえるようになっていました。

さらに面白いことに、一つの言語であるフレーズがくっきり聴こえてくるようになると、不思議と他の言語でも同じフレーズが聴こえてくるようになるんです!どの言語も同じように育っているのかな、と思いました。

出会いでさらに言葉が身近に!

定例会で台湾からのゲストが絵本を紹介している

受け入れするゲストの国の数が増えるにつれ、言葉の興味はさらにひろがり、たとえ理解できなくても、どの言葉も身近に感じるようになりました。

目の前の人の言葉で話したいという気持ちは活動を続ける中で自然に強くなってきました。マテリアルの中にない言語に出会ったとしても、「この言葉はこの言語に似てるな」と共通点を見つけるようになり、どの言語にも抵抗なく耳が開いてきたと感じています。

想像しながら自分で見つける楽しさ

最近は、ファミリーでメンバーと一緒に言葉を見つけるのが楽しいです。マテリアルの中から聴こえた音を使って、実際にゲストに話して通じた!と言う体験もたくさんしました。また、ファミリーの中で話すうちに出てきた「あの音はどんな意味だろう?」という疑問の答えをマテリアルの中で発見して、メンバーとワイワイ話をするのが充実した時間です。

ヒッポの活動の中で自分の言葉も育ってきたし、周りのメンバーの言葉も、また育っていっていることがとっても嬉しいし楽しいです!ファミリーのお世話役であるフェロウがいつも言っていた、「ことばは生ものなんだよ、その時その時を大切にして」という意味が、ようやく分かって来た気がします。

この先も、ことばを見つけ、周りのメンバーと一緒にことばを育てていきたいと思います。

(A・Nさん/岡山県)