ヒッポを始めて10年くらいたった頃に、子どもたちの引率者として、ロシアのウスリースクへホームステイへ行くことになりました。なんて言うと、きっと「ロシア語ペラペラなのね。」とか思われると思いますが、決してそんなことはなくて、自己紹介とヒッポの仲間からもらった言葉を少し持ってのドキドキのホームステイでした。
ヒッポではホームステイへ出かけると決めたら、ロシア語を勉強することよりも、準備として、周りの仲間とたくさんの言葉を聞き、言葉の真似をしたり、いろいろな人に会って思いを言葉にしたりします。それでも「こんな自分が子どもたちの引率できるかな?」と心配に思っていたら、先輩から「自分がいいホームステイをしていたら、大丈夫よ!」と言われて、「よし!私が楽しもう!」と思えて、旅立ちました。

ホスト家族は、私と同じ歳のリタ、ご主人のゲナ、娘でホストのカーチャ。
カーチャは私の娘と同じ歳で、日本語が上手な可愛い娘さん。もちろん、カーチャとは日本語で話したのですが、ほとんどの時間過ごしたのはリタ。日本語を話せないリタとは英語で話していたので、帰国したときに私が英語を話しているのに周りのみんなは驚いていました。
ご主人のゲナは優しくて、毎晩仕事から帰って「今日はどこへ行ったの?」と言ってくれて、私のつたないロシア語を聞いてくれました。
ウスリースクの街へ連れていってくれたり、川のそばでバーベキューをしてくれたり、3泊のキャンプへも連れていってくれたり、本当に楽しい時間を過ごさせてもらいました。


時々、子どもたちのホストから電話をもらい、子どもたちの様子について相談されましたが、リタが私の思いを上手く伝えてくれて、「私がホームステイを楽しむといい」と言ってくれた意味がよくわかりました。
私は無謀にも、このホームステイで1人でお出かけをしたいと思っていたので、リタへそのことを伝えると「外へ1人で出かけるのは危ないから無理よ」と言われました。
しかし、最後の日に、近所に住んでいるバーブゥシカ(おばあちゃん)の家へ1人でお使いをお願いされました。まるで、はじめてのおつかいです。
私はウキウキおでかけをしていたら、窓から心配そうにリタとカーチャが見送ってくれていました。
バーブゥシカの家はとても近くですぐについたのですが、思いがけず部屋へお招き入れてくれたのです。どう過ごしたらいいのか?とにかく、このウスリースクでの日々の話をあるだけのロシア語で話すしかないと思い、身ぶり手ぶりを交えて話しました。優しいバーブゥシカは、笑顔で聞いてくれてとても喜んでくれました。
このホームステイを通して、今まで英語を話せるようになりたいと思っていた思いは何だったのか?あるだけのつたないロシア語でも思いを伝えたバーブゥシカとの幸せな時間、私はもっと、いろいろな言葉でそんなふうに思いを伝えられるようになりたいと今は思っています。スパシーバ!
(Y・Kさん/福岡県)